明確な人生の目標を持って生き生きと生きる方法

From:堀口寿人
金沢の自宅事務所より

もしあなたが人生の目標を設定したいと思っているとしたら、それは何のためだろうか?

仮に人生の目標を設定するはっきりした理由もないなら要注意だ。というのも、どんな人生の目標でも設定さえすれば、充実した人生が送れるわけでもないからだ。

明確な人生の目標を持って生き生きと生きるためには、人生の目標の本質を知ることが必要だ。

じゃあ人生の目標の本質とは何か?そして、どうやってその目標を作っていけばいいか?

そんなテーマに沿って今回はお話しようと思う。

2つの人生の目標

まず、人生の目標には大きく分けて2つある。この2つの違いを知っておくことはすごく重要なので、ぜひ理解して欲しい。

すること(doing)

まず一つ目は、「すること」だ。

「何それ?」と思うかもしれないけど、簡単にいうと行動目標のことだ。

例えば、あなたが今日起きて、顔を洗って、ご飯を食べて、歯を磨いて、服を着替えて、仕事へ行ったとしたら、これは全部行動(すること)なわけだ。

じゃあ、この「すること」に分類される人生の目標ってどんなものがあるだろうか?

ざざっと思いつくままにあげてみると・・・

  • 1000万円貯金する
  • 仲のいい友達を100人作る
  • 従業員100人の会社を作る
  • 最愛の人を見つけて結婚する
  • 田舎で家を買ってスローライフを送る

みたいな感じだ。これらの共通点がお分かりだろうか?

よーく見ると、全部「○○する」みたいな表現になっているわけだ。だからこれらは「すること」に関する人生の目標ということになる。

じゃあ、人生の目標は「すること」以外に、何があるのか?

それがもう一つの「あること」だ。

あること(being)

「あること」とは、「自分がどうあるのか?」という質問に対する答えだと思ってほしい。

例えば、どういう事かというと

  • いつもまわりの人に対して優しさを失わない
  • まわりからどんなに非難されても落ち着いている
  • 自分と他人を区別しない平等な人である
  • 集中力があり自分の力を100%発揮できる
  • 自分以外の視点からも瞬間的に見られる視野がある

みたいな感じだろうか。要するに「将来どんな人でありたいのか?」と考えた場合に出てくるような答えだ。

言いかえると存在目標ということだ。

「すること」と「あること」の関係

僕たちは、

  • 何で毎日仕事をするのだろうか?
  • 何で毎日ご飯を食べるのだろうか?
  • 何で毎日人に気を使い、無理に笑顔を作るのだろう?
  • 何で毎日洗濯や家事をするのだろう?
  • 何で仕事後や休日にお酒を飲んだりするのだろう?

結局僕たちが普段やっている行動の目的を突き詰めると一つの答えにたどり着く。それは、その行動をしないと幸せでいれない(と信じている)からだ。

  • もし、仕事をしなかったとしたら
  • もし、ご飯を食べなかったとしたら
  • もし、人に気を使わず、わがまま放題にふるまっていたとしたら
  • もし、洗濯や家事をしなかったとしたら
  • もし、休みに息抜きをしなかったとしたら

その場面を想像して欲しい。おそらくとたんに顔がしかめ面になるはずだ。

要は何を言いたいのかというと、僕たちが普段している行動(すること)は、全て幸せ(あること)のためにやっているということだ。だから実際は「何をするのか?」よりも「どうあるのか?」の方が、僕たちにとって本質的な問題なわけだ。

例えば、「1000万円稼ぐ」という人生の目標を立てて、それが達成されたとしても、もし気持ちが不幸だったとしたらどうだろう?その1000万円にどれだけ意味があるだろう?

だから、もしあなたが本当に価値ある人生の目標を立てたいと思うなら、「あること」をベースに立てることをおススメする。

例えば、僕の場合

「どんな状況・どんな人に出会っても怒らず優しさを保てる人間である」ことを人生の目標にしている。そのために、マインドフルネス瞑想であったりポジティブトレーニングであったりを「している」わけだ。

だから、僕たちの行動(すること)は、将来の自分像(あること)に直結していないといけない。そのためには将来の自分像がハッキリしている必要があるというわけだ。

どんな人生の目標を立てればいいか?

じゃあ、どんな基準で人生の目標を立てればいいのか?

「すること」タイプの人生の目標にしても、「あること」タイプの人生の目標にしても、目標を立てる基準は同じで、次の3つしかない。

自分のためになる

まず一つ目は自分のためになる、ということだ。

「ためになる」というのは後でまた詳しく説明するが、「幸せにつながる」という意味だ。

じゃあ、一つ問題だが、「おいしいものを独り占めする」というのは、自分のためになるだろうか?

考えようによっては、おいしいものを人に分け与えないで自分で全部食べられるので、自分のためになるという見方もあるかもしれない。

でも、これはやってみると分かるが、自分のためにならない。

実際に、独り占めという行為で、心に欲が充満して、とても快活で明るい気分にはなれない。それに人からも非難される可能性がある。

ということは、不幸になるということだ。

他人のためになる

  • 困っている人を助けてあげる
  • 悩んでいる人に一言ねぎらいの言葉をかけてあげる
  • 役立つ情報を人に分けてあげる

とか、他人のためになることはたくさんある。

まあ、今話したことは、すぐできることなので、人生の目標とまではいかないかもしれないけど、要はそういう方向性で考えるということだ。

例えば、僕の知り合いに、依存症の人のための自助グループを立ち上げて依存症の人々の改善を目指そうとしている人がいる。それは立派な他人のためになることだ。

両方のためになる

実は、よく観察すると、自分のためにもなるし他人のためにもなることは結構ある。これが両方のためになるということだ。

例えば、僕は、運動不足解消のために実家のおばあちゃんの農作業を手伝うことがある。

おばあちゃんも歳だし、僕が手伝うとすごく喜んでくれるわけだけど、僕も運動不足が解消できて喜んでいるわけだ。そして、お互いが喜び合うことで、その喜びがまた大きくなるという相乗効果もある。

こんな感じで、知恵を働かせてよく世の中を観察してみると、両方のためになることは、いっぱいある。

ためるなるとは?

ここで、重要な質問に答えなければならない。

「ためになるとは?」という質問だ。さっき、ためになるというのは「幸せにつながる」という意味だと説明したが、もう少し具体的な説明が必要だろう。

ためになるというのは、次の3つの基準のどれかに当てはまるとき、ためになると判断できる。

知恵を高める

ためになることとして一番優先度が高いのが「知恵を高める」ことだ。

僕たちは、誰だって、もっと幸せに生きたいと思っている。でも、その方法が分からないから、幸せになると思って、結果不幸になることをやってしまったりするわけだ。

言いかえると、僕たちが本当の意味で幸せになりきれないのは、そのための方法が分からないから、つまり知恵が足りないからだ。

想像して欲しい。

もし、あなたが、「どんな状況でどうすれば自分が幸せを感じられるのか」を完璧に理解していたとしたら?「どんな考え方をすれば自分が幸せを感じられるのか」を完璧に理解していたとしたら?

あなたは一瞬たりともイライラせず、常に心は明るく軽快で、人に対する思いやりを維持できているはずだ。幸せに生きるための知恵があればあるほど、僕たちは幸せでいられる時間が長くなる。

だから幸せになるために必要な勉強をしたり、必要な情報を人に教えてあげたりすることは、一番ためになるものなわけだ。

思いやりを育む

人の感情には、人を辛くするネガティブな感情と、人を幸せな気分にするポジティブな感情がある。

ネガティブな感情には、大きく分けて

  • 怒り
  • 無知

という3つの要素が絡んでいる。

逆に、ポジティブな感情には、大きく分けて

  • 無欲
  • 無怒
  • 知恵

という3つの要素が絡んでいる。この3つの要素が含まれる感情を、僕たちは「思いやり」とか「優しさ」と呼んでいるわけだ。

意識し訓練することで、この3つの要素が心に生まれやすくなる。それは言いかえると、どんどん幸せになるということだ。

例えば、「人に優しい言葉をかけてあげる」というのは、自分にも人にも思いやりの感情を生む効果がある。だから、ためになるわけだ。

この感情の原理については、詳しくは「ネガティブの本当の意味とポジティブの本当の意味」の記事を参考にして欲しい。

喜びを生む

優先度の三番目は「喜びを生む」だ。これは字のごとく、自分や人を喜ばせたり、楽しい気分にさせることだ。それも有意義である。

自他の知恵にもならないし、思いやりの気持も生まないけど、単に楽しい気持ちになることもある。それも悪くない。例えば、あなたが旅行を楽しむとしたら、それもその一つだ。

ただ、言うまでもないが、自他に迷惑をかけない前提だ。

人生の目標へ向かって歩む

人生の目標をはっきりさせる

さて、ためになるとはどういう意味かが分かったと思う。人生の目標に向かって歩むために、人生の目標をはっきりさせよう。

おさらいだが、人生の目標には、

  • すること(行動目標)
  • あること(存在目標)

の2種類がある。

存在目標の方がより本質的だ。というのも、僕たちがやっている行動は全て一つの目的のためにやっていることだ。それは「幸せになること」だ。

営業目標を達成する目標も、最愛の人と結婚する目標も、各地のおいしいグルメを食べる目標も、その背景には「それをすれば幸せになれるはず」という思いがある。

要するに、僕たちは意識していようがいまいが、一生の間ずっと「幸せ」という存在目標に向かって、行動目標を立て続けているわけだ。でも、なかなか僕たちは「幸せ」という存在目標に到達しない。

なぜだろう?

それは、「幸せ」という存在目標が漠然としているからだ。それがどんな状態なのかがよく分かっていないわけだ。だから、幸せに向かいたいのに、不幸に向けた行動目標を僕たちは作ってしまう。

「何が言いたいの?」ってそろそろ言われそうなので、はっきり言うと・・・

人生の目標は存在目標であるのがベストだ。存在目標が決まれば、そのために必要な行動目標は決まってくる。

そしてその存在目標は絶対にためになるものでないといけない。

例えば、僕の存在目標は「何が起きても少しも怒らない人になること」だ。もちろん、まだこの目標は達成できていないし、一生できないかもしれない。でも僕がその目標を目指す限り、僕は必ずそういう人に近づくわけだ。これは間違いない。

同じように、あなたも「究極的にどんな存在でありたいか」をはっきり定めてみよう。それが、「あなた」という存在の方向性を決める。

ちなみに、「誰からも愛される人」というのは、人生の目標にあまりふさわしくないかもしれない。というのも、それは「人からしてもらうこと」がベースになっているからだ。

それよりも、「自分がどうあるか?」「自分が人にどういう影響を与える存在になるか?」という視点で考えると、存在目標は決まってくるはずだ。

人生の目標に必要な習慣を設定する

たいてい目標の達成には習慣が必要だ。

習慣の力をうまく使えないで挫折する人を「三日坊主」という。必ず習慣を意識しよう。「どうすれば習慣が作れるのか」を考えよう。

例えば、僕の存在目標は「何が起きても少しも怒らない人になること」だとさっき話した。

その存在目標を達成するためには、色んな行動目標が必要だろう。僕は、行動目標の一つとして、「マインドフルネス瞑想をまず1年続けること」という目標を立てた。

今で半年くらい過ぎたが、順調にほぼ毎日続けられている。ただ、実際僕も忙しいし、マインドフルネスのために一日45分の時間をとるのは、昔の僕だったら考えられなかった。

でも僕が今マインドフルネス瞑想を続けられているのは、意識的に習慣化してきたからだ。

習慣を作るには、時間や場所などを毎日固定することが有効だ。だから僕は毎朝起きたら自分のベッドの上で約45分マインドフルネス瞑想を実践することにした。そのやり方で固定したわけだ。

半年たった今では、マインドフルネス瞑想しない方が気持ち悪いくらいになっている。そしてマインドフルネス瞑想することで確実にイライラが減っている実感を得ている。つまり「何が起きても少しも怒らない人になること」という存在目標に着実に向かっているわけだ。

決意して実践する

必要な習慣を設定したら、後はやるしかない!

ああもこうもないわけだ。

僕たちの脳には大きく分けて、古い脳と新しい脳がある。

古い脳は感情的・本能的な部分で自分の事しか考えていない。新しい脳は自分以外の人のことも思いやれる賢くて道徳的な脳だ。

それで古い脳はいつも僕たちに「そんな面倒なこと止めちゃいなよ。明日からでもいいじゃん。今日はゆっくり休んでさ!」とささやく。

でも、新しい脳は、「明日明日って言ってたら、いつまでたっても始まらないよ!人生は限られてるんだから、今日を大事にしなきゃ!」と反論する。

そうやって、僕たちの脳ではいつだって、新しい脳と古い脳が言い合いをしていることが分かっている。そして基本的には古い脳の方が力が強い。だから、僕たちは決めた事をなかなかできないわけだ。

古い脳のささやきを振り払って、新しい脳の指示に従うには、強い決意がいる。理屈抜きの決意。

そうは言っても、なかなか決意できない場合次の2つを強烈に繰り返しイメージすることをおススメする。

一つは、習慣の先にある理想的な自分像だ。もう一つは、やらなかったときの理想とかけ離れた状態の自分像だ。

今のあなたならどっちも手に入る。あなたの決意次第で。

どうせやってもやらなくても僕たちは、ある期限が来たら死んでしまうのだ。それは確定している。そのときに理想的な自分として死ぬのか、全く不本意な自分として死ぬのか、それだけの違いだ。

まとめ

人生の目標には

  • 行動目標(すること)
  • 存在目標(あること)

の二つがある。僕たちは存在目標を達成するために行動目標を立てる。そのことを意識するしないに関わらず必ずそうしている。必ず。

だったら、自分にとって理想的な存在目標を立てた方がいい。人生の目標を立てる時は、必ずその目標が「ためになるかどうか」を確認しよう。

ためになるとは

  1. 知恵を高める
  2. 思いやりを育てる
  3. 喜びを生む

のどれかに当てはまるものだ。ただ、もちろん社会に不利益を与えないという前提だ。

例えば、「本を1000冊読む」という目標はためになるかも知れない。知恵を高めてくれるからだ。

でも、「10軒のお店で万引きする」という目標はためにならない。社会に不利益を与えるし、結果的に自分も社会から罰せられるからだ。

そして、目標を立てたら、次はそれをどうやったら「習慣化」できるかを考えよう。そのために同じ時間・同じ場所で難なく繰り返すためにどうしたらいいのかを考えるといい。

最後に、習慣化計画が決まったら、それを実践するだけだ。それには決意が必要だ。どうせ僕らは何をしていても決まった時に死ぬのだ。そのことをよく考えてみよう。

最後にもう一つ

今回は「人生の目標」というテーマで話しをしてきた。

なるべく本質的な内容を話そうと思って話を組み立てたが、結果的に抽象的な話になってしまった気がしている。そんなわけで、あなた的には、よく理解できないところもあったかもしれない。

それでもし、理解できないところがあったなら、ぜひ質問して欲しい。質問することであなたの知識も深まるし、僕自身も勉強になる。

なのでお気軽にコメントもらえたらと思う。

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