社会性

共感とは?共感の意味と共感に必要な3つの能力

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empathy1

From:堀口寿人
金沢の自宅事務所より

共感とは、ザックリ言うと「相手と同じ気持ちになる」という意味だ。

ただ言うは易しで、そんな単純な問題でもない。

というのも、例えば、同じものを見ても人それぞれ感じ方が違うからだ。それなのに、共感したつもりになって、相手に不快感を与えていることがよくある。

今回は、そういった共感の落とし穴も踏まえたうえで、本当の意味で共感とは何かを具体的にお話していきたい。

共感の意味とは?

まず、さっきの「相手と同じ気持ちになる」という共感の意味をもう少し深く考えてみよう。

最初に、共感の意味を理解するためには、主観と客観という2つの意味を理解しておく必要がある。

言葉は難しいが、内容はそんなに難しくない。

例えば、あなたと僕がカフェでお茶を飲んでいたとしよう。

empathy2そのとき、外を見ると雨が降ってきたとイメージして欲しい。

「雨が降ってきた」ということはあなたにとっても、僕にとっても紛れもない事実だ。これが客観だ。

客観的に見て、「雨が降ってきた」のだ。

ただ、その雨を見て思う事は、あなたと僕とでは違う。

もしかして、あなたは「さっきまで晴れてたから、もしかして虹が出てるかもしれないな」と思うかもしれない。

もしかして、僕は「傘持ってこなかったけど、どうやって濡れずに帰ろうかな」と思うかもしれない。

このときの

  • あなた→虹のイメージ
  • 僕→帰るイメージ

が、それぞれの主観だ。

だから、一つの客観に対して、主観は人の数だけある。

これを踏まえて考えると、共感の意味がよく分かる。

どういう事かというと、共感とは、相手の主観を自分の主観として理解するという意味なのだ。

例えば、さっきの例で言うと、

僕があなたに共感した場合

  • あなた→虹のイメージ
  • 僕→虹のイメージ

になるということだ。

empathy3これで、僕はあなたと同じ(※厳密には似た)主観的イメージを見ていることになる。

逆に、あなたが僕に共感した場合

  • あなた→帰るイメージ
  • 僕→帰るイメージ

になるわけだ。

これで、あなたは僕と同じ(※厳密には似た)主観的イメージを見ていることになる。

要するに、共感するとは、相手の主観に自分の主観を合わせることを意味する。

●補足
※主観的イメージは、それぞれの記憶が元になって作られる。人それぞれ全く同じ記憶を持つ人はいないので、厳密には全く同じ主観的イメージを作ることはできない。

これで共感については分かってもらえたと思う。

じゃあ、次は共感するためにはどんな力が必要なのかを理解しよう。3つある。

共感に必要な3つの能力

相手の立場に立つ

empathy4これは、「自分がもし相手の立場だったら」と自分を相手の立場にスライドさせる能力だ。

具体的に言うと・・・

  • もし相手と同じ両親に育てられたら
  • もし相手と同じ家に生まれていたら
  • もし相手と同じ友達と接していたら
  • もし相手と同じ感性を生まれつき持っていたら
  • もし相手と同じ体験をしていたら
  • もし相手と同じ病気を患っていたら
  • もし相手と同じ成功を手にしていたら

のように、一場面ずつ自分を相手の立場に置いていくわけだ。

「もし・・・」と自分に問えば問うほど、相手の立場がよく分かるようになって行く。

相手の感情を推論する

empathy5そして、次のステップ。

相手の立場に立てたら、その立場で相手はどんな感情を感じているのかを推論する能力だ。

「きっとこういう状況だったら、こう感じているだろう」と推論するわけだ。まず頭で考える能力だ。

相手と同じ感情を感じる

empathy6さらに、推論した感情を感じる能力だ。これには感性も必要になる。

ここで、あなたは「感情を推論するのと、感情を感じるのは同じ能力じゃないか?」と思うかもしれない。

でも、それが違うのだ。

参考までに僕の例を聞いて欲しい。

僕は、心理学を学び始めてすぐのころ、もうすでに相手の感情を推論することは得意だった。俗に言う、「相手の気持ちがよく分かる」というやつだ。

一方で、感情を感じるのはとても苦手だった。

というのは、僕の育った環境に関係している。

僕は第一子ということもあり、父は厳しく育てたかったらしい。

そのため、僕は親から(とくに父から)突き放されるように育てられた。父も意図的にそうしたと僕に言っていた。

その影響で、僕はとても自立した性格になった。でも、同時に感情表現が下手になった。

だから、相手の感情を推論するところまではできても、どうしてもその感情を感じることはできなかったのだ。

実を言うと、今でも相手の感情を感じるのは苦手だ。心理学のトレーニングのおかげで、大分マシにはなったが・・・。

共感能力はトレーニングで身につく

今僕の話でもあったように、これらの3つの能力は、トレーニングによってどんどん高まっていく。

というのも、僕たちは、生まれた時相手の立場どころか、自分の立場すらよく分かっていない。

例えば、スプーンで食べるとき、自分の口の位置がどこか分からず、ほっぺたにベチャっとつけたりしてしまうのだ。

empathy7信じれないが、僕たちはそういうところからスタートしている。

それで、成長して、何とか自分一人の立場は理解するようになる。そうしないと生きていけないからだ。

でも残念なことに、自分の立場を理解して、生きていけるようになった僕たちは、それ以上の成長を怠ってしまう。

だからいつまでたっても、僕たちは自分の立場にこもっているわけだ。トレーニングしない限りは!

どれだけ歳を重ねても、自分の立場からしか見れない人が、あなたのまわりにもいるはずだ。

共感する能力は歳を重ねても身につかない。日常の人間関係の中で意識的にトレーニングしよう。

最後に、共感の落とし穴について、ぜひ知っておいてほしい。

これを知っていないと、共感しているつもりなのに、なぜか人が離れて行ってしまう。

共感の3つの落とし穴

きっと相手はこうだと決めつける

empathy8「あなたは絶対こう思っているはず」と決めつけて、その前提で話を進める人がいる。

それは、共感ではなく裁きという。

共感はあくまで主役は相手だ。その主役に自分は付き添うだけだ。

一方で、裁きは自分が主役になろうとする行為だ。

裁判官をイメージして欲しい。

裁判官が「死刑」と言ったら、被告が何を言おうと死刑なのだ。裁判が下った後、被告が何を言おうともう無駄だ。裁判では裁判官が主なのだ。

じゃあ、あなたは日常的に裁かれたいだろうか?

きっと、答えは「No」だろう。

だとしたら、相手も裁かれたくはないのだ。共感と裁きを混同してはいけない。

相手と同じように苦しむ

さっき、共感には「相手と同じ感情を感じる能力」が必要だと話した。

だから、今回の内容は矛盾しているように感じるかも知れない。

でも実際は矛盾していない。

確かに、相手と同じ感情を感じるところまでは同じだ。

ただ、なぜ共感には「相手と同じ感情を感じる能力」が必要かというと・・・

それは、相手の感情を体験を通して理解するためだ。「ああ、なるほどこういう感情を感じていたんだな。」というふうに。

決して、同じ感情を感じて、自分も同じように苦しむためじゃない。

相手の苦しみと同じように自分が苦しんだとしても、それは被害者が一人増えるだけの話だ。何の解決にもならない。

共感とは、相手の気持ちを楽にし、相手を幸せに導くためのものだ。

例えば、人が川の流れに押し流されているのをイメージして欲しい。

empathy9その川は感情という名前の川だ。

あなたは、たまたまその川のそばを通りかかった。すると、誰か川の流れに押し流されている。

あなたは、その感情という川の中に急いで飛び込んだ!

ここで、2つの選択肢がある。

  1. 押し流されている人を引き上げ、救ってあげる
  2. 一緒になって押し流される

もちろん、共感とは1番のイメージだ。

形だけの共感におぼれる

大げさな相槌を打ったり、表情をわざと作ったりして、自分は共感していると思い込むパターンがこれだ。

あたかも「自分は共感してますよ!」とアピールするためのパフォーマンスのような感じだ。

empathy10この場合共感とは言わない。エゴだ。

共感している自分に酔っているだけなのだ。「こんな自分優しいでしょ?」っていうように。

もちろん、相槌や表情がダメなわけじゃない。むしろ、共感には必要なものだ。

問題は、その相槌や表情が本心からのものか、偽りに作られたものかがポイントになる。

そして、相手もそれがよく分かるのだ。

自分のエゴのために、共感を利用するのは止めよう。誰のためにもならない。

まとめ

共感とは、「相手の主観に自分の主観を合わせること」だ。

それは、自分のエゴから来るパフォーマンスではなく、優しさからくるものでないといけない。

共感に必要な能力は次の3つだ。

  • 相手の立場に立つ
  • 相手の感情を理解する
  • 相手と同じ感情を感じる

共感の落とし穴は次の3つだ。

  • きっと相手はこうだと決めつける
  • 相手と同じように苦しむ
  • 形だけの共感におぼれる

何はともあれ、やっぱり人は「分かって欲しい」のだ。

この意見にあなたも共感してもらえるだろう(笑)

コメント歓迎

今回の共感というテーマについて質問したいことがあれば、ぜひ下からコメントして欲しい。

  • 共感の意味が、よく分からない
  • 共感の意味が頭では分かるが、腑に落ちない
  • 共感の意味について、もっと詳しく知りたい

など、気になることがあれば、気軽に聞いてもらえたらと思う。具体的な質問に関しては、他の人にも共感してもらえるように、できる限り具体的にお答えしたいと考えている。

もちろん、記事を読んだ感想も大歓迎だ。

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